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アメリカの無神論事情

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アメリカの無神論事情

アメリカというと狂信的なキリスト教徒の印象が強く、無宗教はごく少数派というイメージがあります。でも最近はそうじゃないよという内容の文章があったので、載せてみました。まあ当の無神論者が言っていることなので本当のことかは分かりませんけどね。人は誰でも自分の陣営が優勢だと思いたがるものですし。

原文:http://www.patheos.com/blogs/excommunications/2015/02/how-not-alone-you-are/
 宗教からの離脱を考え始めたとき、自分が孤立するのではないかと不安になるかもしれない。だが、そんなことはない。宗教を抜け出した仲間は大勢いるのだ。


 宗教を調査するグループであるThe Pew Forumによると、アメリカ人の25%ほどがカトリックだが、これは親の宗教から推測される期待値よりかなり低いという。アメリカ人の約三分の一がカトリックとして育てられるが、成人してからもカトリックであり続ける者は全人口の25%なのだ。同グループの調査によると、アメリカ人の10%は元カトリックだということだ。またカトリックを構成するのは多くが移民であり、生粋のアメリカ人ではプロテスタントの方が遙かに多い。

 カトリックにとっては明らかに厳しい時代のようだ。数ヶ月前、ニューヨーク管区のカトリック教徒は112あった教区が55に統合され、そのうち31の教区では教会のうち少なくとも1つがなくなるというニュースを聞き、ショックを受けた。ブルックリンの管区では数年前にそのような統合が行われ、199の教区が187に減った。指導者たちがこのような厳しい判断を強いられた理由ははっきりしている。ニューヨークの300万人の信徒のうち12%しか定期的にミサに参加しておらず、しかもその数字は減少する一方で持ち直す見込みがないからだ。

 ニューヨークで起きていることは、世界中のかつてはローマカトリック教会の支配地であった場所で、起きていることの縮図と言える。かつてはバチカンと一心同体に見えたアイルランドでは、1984年には90%だった教会への参加率が2011年には18%まで下がっている。ここでも持ち直す見込みはない。信徒の減少とともに聖職者になる者も激減しており、同国の修道女の平均年齢は74歳という有様だ。司祭の方は多少ましだが、それでも59歳であり、楽観できない数字と言える。

 プロテスタントはどうだろう? こちらも状況はよくないようだ。Jack Wellmanが牧師のJames MacDonaldに聞いたところによると、プロテスタントの教会の8割で信徒数が減少ないし停滞しており、毎年数千の教会が消えているということだ。彼はさらに、現在の教会の数は100年前の半分であり、毎日3500人が教会を離れていると主張している。メガチャーチ(訳注:数千人以上を収容できる巨大な教会)や、原理主義的かつ過激な教派、およびモルモン教会はやや成長しているが、小さな教会や穏健派の教会は衰退している。牧師たちは、特に若者がキリスト教の最悪の側面である性差別、人種差別、階級差別、政治への過剰な介入に嫌気が差し、教会に背を向け始めたと考えている。ここ数年、福音派は危機感を強めているが目立った成果は上がっていない。

 アメリカ人は自身の教会への参加について過大申告する傾向があるが、実際には日曜日に礼拝に参加するアメリカ人は20%以下だ。キリスト教徒を自認する人でも、その多くは実際の活動は行っていないのだ。調査によると、教会のメンバーの40~60%は不活動状態にある。アーカンソーやルイジアナのような、キリスト教の影響が強い州でも、定期的に教会に参加する人の割合は25%辺りをふらふらしている。この研究の著者の推測によると、この先数十年で教会への参加は11%まで落ちるだろうということだ。

 南部のバプテスト派ほど、それを恐れている宗派もないだろう。何しろ彼らの教会で洗礼を受けた人の数は、1948年以降最も少ないのだ。南部バプテスト派協会(SBC)は行った洗礼の数を元に組織の成長度合いを計算しているので、2012年にはこの宗派の教会の半数以上で若者への洗礼が行われておらず、25%でまったく洗礼が行われなかったという事実を特に懸念している。もっとも5歳以下の子供に対する洗礼においては、大きな成功を収めているが(しかし、自分が何をされているかを理解していないような子供に洗礼を施し、人数を膨らませることに何の意味があるのだろう?)。2006年に彼らは100万人に洗礼を施すという野心的な目標を設定したが、実際に洗礼を受けたのは36万4826人に過ぎない。しかもこの数値は2005年の37万1850人から見ても減少している(SBCの指導者はこの滑稽な失敗について、メンバーが正しい帰依をしていなかったせいだと述べた)。この宗派の教会がどれくらい閉鎖されているかについて正確な数字は分かっていないが、2004年には3500~4000が閉鎖されたという情報がある(ただし、これはバプテスト派だけでなく、キリスト教会全体での数字かもしれない)。

 ロイター通信が2012年に出した記事は、プロテスタントが最も認めたくない現状を的確に指摘している。破産して銀行の抵当に入り、売却される教会が記録的に増えているのだ。2000年には銀行によって売却される教会は一握りだった。それが2008年には24、2011年には138に増加している。ロイターの指摘によると、そのほとんどは抵当権実行によるものだ。ヨーロッパの教会の多くはすでに美術館や博物館に転用され、あるいは私が知るところではレストランやコーヒーショップになっていて、ブルースブラザースが流れている。カトリック教徒のバンドの曲が、プロテスタントの教会だった場所で流されるとは皮肉なものだ。

 教会に参加する者が減っていることに加え、アメリカ人の宗教も大きく変化している。The Pew Forumによると、調査に回答した人の28%が自分の家庭の宗教を離れ、他の宗教ないし無宗教に移っている。さらにプロテスタントに限って言えば、44%が離脱しているということだ。しかも彼らのうち無視できない数が他の宗教に入るのではなく、そのまま宗教自体から離れている。プロテスタントからの離脱者に占める「無宗教」の割合は、全体で見ると16%だが、若者に限って言えば28%に達しているのだ。

 「無宗教」は必ずしも無神論者になったことを意味しない。この言葉は単に、祈り、教会への参加、聖書研究などの正式かつ外的な宗教活動に参加しないことを、意味することもあるからだ。無宗教と答えた者は内面的にはキリスト教徒だが、宗教的な集団に参加していないだけかもしれないのだ。そういう人でも宗教を聞かれれば、他に言いようもないので「無宗教」と答えるだろう。

 無神論者の数は劇的に増えているが(25万人を対象とした調査によると、その多くはキリスト教徒からの転向)、このような無宗教も増えている。1930年代には、無宗教のアメリカ人はたった5%だった。さらに驚くべき事に、イギリスでは1960年代には3%しかいなかったが、現在では44%だ。無宗教者は宗教や教会への所属に、実際興味が無い。彼らは出て行き、出て行ったままだということだ。

 だが無宗教者の数自体が正確に分かっていないので、宗教から離れた人の数もまた分かっていない。

 しかも彼らは互いの存在に気づいておらず、自分の周りにどれくらいの元キリスト教徒がいるかも分かっていない。

 また聖職者に聞いても、キリスト教から離れた者の数は分からないだろう。彼らは信徒に寄生する以外に、食べていく方法がないからだ。カトリックの聖職者たちは信徒の数は減少していないと主張しているが、彼ら自身の調査によれば洗礼、結婚式、堅信式などの儀式に参加する人の数は減少するか、少なくとも聖職者が主張する信徒の増加数に見合っていない。カトリックに残っている者も、宗教行事への参加に熱心ではないようだ。私はプロテスタントの聖職者が同じ事を言っているのも聞いたことがある。「現状を直視するのは難しい。動脈から出血するような勢いで信徒が減っているから」ということだ。

 ここで強調しておきたいが、メンバーの数の多少は必ずしも、その集団が正しいか間違っているかの指標にはならない。間違った考えが数千、数万、あるいは億単位の支持者を持つことがあるし、支持者はほとんどいないが正しい考えも多くある。だからメンバーの数に基づいて議論を行うのは間違っている。私がここでしたいのはキリスト教への批判ではなく、キリスト教から離れた人々の数に焦点を当てることだ。あなたがキリスト教から離れようと思ったとき、自分のような人間はほとんどいないのではないかと、不安になることもあるだろう。だが実際には、あなたの仲間は数多くいるのだ。

 あなたは一人ではない。

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