http://www.darwinawards.com/darwin/darwin1995-05.html
1995年11月29日、メルボルンのトロンド湖近くの貯水池でネイル ウィルソンの腐乱死体が発見された。
その地域の警察職員は、49歳のウィルソンはウオーターベッドの素材で作られた、緑色の重いボディースーツを着ていたと述べる。背中のジッパーをいったん閉めると脱ぐのにひどく苦労しそうなそのスーツは、脚をまとめて人魚のひれのようになるようにしていた。ジッパーを除く開口部は、目の部分に開けられた穴だけだった。
この海のミイラ男のようなコスチュームは、体の動きだけでなく呼吸も妨害した。ウィルソンはこの衣装を着た状態で、トロンド湖から1㎞も離れていない場所で発見された。彼は明らかにトロンド湖から泳いで家に帰るつもりだったのだ。なおこの種のコスチュームを売っているメルボルン市内の商店は、彼が着ていた衣装について「推奨できない」としている。
彼の家のガレージから同じような黄色のスーツが発見されたが、第二弾だったのだろう。
このような行為を引き起こした心理学的要因は、謎のままだ。警察の調べによると、ウィルソンは瘨癇と糖尿病で医者にかかっていた。警察はこのことと彼の行動に何らかの関係があると見ているが、地元住民は自己流の理論を作っている。
「彼は魚になりたかったのさ」、匿名の地元住民は言う。彼はウィルソンが以前湖で、そのスーツを着てロープにつかまっているのを見たという。
メルボルンでは1995年までの数年間、川や湖での水難事故で死んだものはいなかったが、ウィルソンの死により、記録はとぎれた。