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ダーウィン賞 樽の底

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ダーウィン賞 樽の底

原文:http://www.darwinawards.com/darwin/darwin1994-23.html

(1920年 6月20日 ナイアガラ滝)
 理髪店の店主で58歳のチャールズ・ステファンは、妻と11人の子供を養うため、本業で得られるより多くの金を必要としていた。彼は副業で高飛び込みやスカイダイビングの披露もやっていたが、必要な金額をまかなうにはほど遠かった。彼は自分の名声を高めるため、何か大きなことをする必要があった。樽の中に入ってナイアガラ滝を降下するほど、彼の名を高める行為はないだろう。これをやりとげ、生き残ったのはそれまでに二人しかいなかった。

 その中の一人であるアニー・テイラーは惨めな貧乏生活をしており、もう一人であるボビー・リーチの方は、性能試験もせずに重いロシアオークの樽を使うことについてさんざん意見を述べたが、彼にとってそんなことは問題ではなかった。リーチの友人でナイアガラの不安定な水流から人を助け出すことを副業とするウィリアム・ヒルも彼を思いとどまらせようとした。

 しかし、チャールズは腕を樽の側面に結びつけ、足を錘となる金床に結びつければ、滝壺のあぶくの中から正しい向きに脱出できると信じていた。彼は自分が何をやろうとしているかを知っており、それを行うことにした。

 彼はある日の早朝、彼の不格好な工作物を進水させた。樽は急流の中、カナダ側の滝に向かっていった。進水から45分後、重い樽は滝の端を超えた。ここまでは良かった。しかし滝壺に落下したとき、金床は樽の底を貫通しチャールズの体の大部分と一緒に底に沈んだ。樽の残りの部分は滝の背後にでてきて、しばらくすると霧の中に浮かんできた。樽にはそこに結びつけられたチャールズの右腕がくっついており、「俺を忘れるなよ アニー」というタトゥーが見えた。

管理人コメント
「貧乏人の子だくさん」と「貧すれば鈍する」の合わせ技。というか、もし落下で死ななかったとしても、手足を樽に結びつけた状態でどう脱出する気だったのかと。

 
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