原文:
http://www.darwinawards.com/darwin/darwin1997-01.html
48歳のアラン・ホールは12月5日、フェアフィールドに住む兄弟の自宅の芝生に倒れているところを発見された。
彼のペニスが根元から切断されてから、8時間後のことだった。ホールはノースベイ医療センターに緊急搬送されたが、切り離された器官を再び接合するための外科手術は失敗に終わった。
ホールはこの傷害事件について、前の夜にガソリンスタンドで会ったブレンダという女の仕業だと主張した。ホールによると、彼はフェアフィールドの兄弟の家の前の道路に止めた自分のトレーラーハウスに、ブレンダを連れて行ってセックスをした。午前3時頃、女は復讐だと言ってカミソリのように鋭いナイフで彼のペニスを切断し、トレイラーハウスから徒歩で立ち去ったというのだ。襲撃の詳細はあいまいであり、さらに警察はなぜホールが自分の身を守れなかったのかを不思議に思った。フェアフィールド警察で警部補を務めるウィリアム・グレシャムは、ホールは薬物を使用していたようだと述べた。
ブレンダの捜索が始まった。彼女は白いブラウス、ネイビーブルーのジャケット、青のスラックスを着用した42歳の白人女性で、おそらく茶色のフォードF350に乗っているということだった。
一方、月曜日に退院したホールはその足で自分のトレーラーハウスに向かい、それっきり行方が分からなくなった。警察は彼にまだ聞きたいことがあったのだが、彼は移動生活をしており、居場所を突き止めることができなかった。
さらに好奇心をそそられる詳細が、明らかになり始めた。
ホールは1970年代に薬物所持と飲酒運転で逮捕されていた。また1982年には、幼い娘を州外に連れ去ったことで逮捕されていた。心理テストによると、彼はベトナム戦争に従軍したときのトラウマにより、記憶喪失とアルコール依存症になっているようだった。彼の前の妻が評したところによると、ホールはトレーラーハウスでモリネズミのように移動する生活を好んだという。
1983年2月17日に、23歳の女性がレストランの駐車場にあった車の中で絞殺されているのが見つかった事件で、ホールは故殺の罪で有罪判決を受けた。ホールは殺人について自白し、彼女とセックスをしようとしたが勃起しなかったのを馬鹿にされたので、かっとなってやったと述べた。彼の証言は警察が不適切な尋問手段を用いたとされたので採用されず、検察は罪状を故殺に減刑することを認めた(訳注:海外の殺人罪には謀殺と故殺がある。故殺の方は日本で言う傷害致死みたいなもの)。彼は6年半の刑期を務めた。
警察はホールのペニスを切断した女は14年前に殺された被害者の友人で、事件の復讐を行ったのかもしれないと推測した。だが、真実はさらに奇妙なものだった。
木曜日にようやく発見され
質問を受けたホールは、自分のペニスを切断したことを認めた。嘘発見器にかけた結果、彼の主張は真実であることが分かった。「こうなると、事件が起きたという根拠はどこにもなくなった」と、ウィリアム・グレシャム警部補はマスコミに語った。「この事例は、単なる自傷行為の報告に再分類されることになった」。ホールは警察に虚偽の証言を行ったことで、軽犯罪に問われる見込みだ。
裁判記録によると、皮肉にもホールの職業はパイプの修理人だったらしい。
管理人コメント
言い忘れてたんだけど、ダーウィン賞は死んだ人間だけじゃなくて、この記事みたいに生殖能力を失った人間にも授与される。悪質な遺伝子が後世に伝えられなければいいということだからね。まあこの人の場合、本当に戦争の後遺症なら気の毒な人とも言えるけどさ。