原文:
http://www.conservapedia.com/Biblical_scientific_foreknowledge
前回に引き続き、Conservapediaの聖書の科学的先進性という記事を紹介していきたいと思います。なおこのコーナーの通例として、一応理屈が通っていてツッコミがいがあるものだけを紹介しています。太字=引用文 細字=管理人のツッコミ
聖書には人類の滅亡は偶然ではなく、神のみが知る計画に従って起きるとある。歴史的に見て多くの種が絶滅しており、科学者は巨大隕石が地球に衝突したり、他の巨大な災害が起こる可能性は十分あると見ているが、人類とキリスト教は発展を続けている。
人類がまだ絶滅してないのは、単に地球規模の巨大な災害がまだ起こってないからで、それこそ偶然の結果である。恐竜を絶滅させたような巨大隕石が衝突した後も人類が生き残ってれば、この主張にも再考の余地があるが。
ヨハネ福音書の1:3には「全ては神によって作られた。神なしで作られたものはない。」とある。神によって作られなかった生物がいるなら、他の生物とはまったく違うDNA暗号を持つ生物がいるはずである(訳注:実際にはそんな生物はいない、だから全ての生物は神によって作られたのだと言いたいのだろう。)
上の論理が成り立つには、「少なくともたいていの生物は神によって作られた」という前提が必要だが、この前提自体が無茶なものだ。全ての生物がDNA暗号を共有しているのは事実だが、それは全ての生物がもともとは一種類の生物から進化したことを表しているに過ぎない。
聖書に見られる同性愛の禁止は、同性愛にまつわる多くの病気に関する知識に先駆けたものだ。これは時代よりはるかに進んだ科学的知識を示している。
聖書が同性愛を禁止しているのは事実だが、その理由は神の目から見て忌まわしいからというものだ。病気が起こるから悪いとは一言も書いていない。そもそもたいていの性感染症は異性愛者にも見られる。
19世紀後半に細菌説が提唱されるはるか前に、レビ記の15章では入浴、洗濯、汚染された陶器の廃棄、手洗いなどの衛生に関するおきてを定めている。
ためしにレビ記15章を読んで、何が書かれているかを見て欲しい。皮膚病患者はその罪をあがなうために山鳩をいけにえに捧げろ、生理中の女は穢れているから近寄るな、などというのが上で先進的と賞賛されているこの書の内容である。これが全知全能の神の言葉で時代を先取りした科学的知識の産物なのかは、読者が判断して欲しい。
ところで日本の神道でも、穢れという概念があり、穢れをはらうための禊という儀式がある。レビ記をもって聖書が神の書である証拠とするなら、神道が本当に神がもたらした宗教である可能性も、真剣に検討する必要が出てくるだろう。
創世記では神はアダムの肋骨から女を作ったとある。科学者は1997年まで、そのような複雑な生物のクローニングは不可能だと考えていた。
女性は男性と同じx染色体を持つが、このことは19世紀の終わりまで発見されなかった。創世記は数千年前から、最初の女が男からどのように作られたかを説明してきた。
言うまでもなく聖書には染色体についての言及もなければ、細胞の培養技術についての記述もない。創世記が現代のクローン技術を先取りしていたというのは無理がありすぎる。また神は近親相姦を禁止しているはずだが、イブがアダムのクローンだとすれば、二人が子供を作るのはこれ以上ないレベルの近親相姦である。