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都市伝説 La Malhora

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都市伝説 La Malhora

原文:http://americanfolklore.net/folklore/2010/07/la_mala_hora.html

 ある雨の夜、友人のイザベラが泣きながら電話をかけてきた。何でも夫と離婚することになり、彼は今日家を出て行ったという。彼女は完全に取り乱していた。

 シカゴに出張中の私の夫に電話してみると、何日か彼女に付いていてやったほうがいいのではないかというアドバイスが返ってきた。そこで私はスーツケースを持って車に乗り込んだ。もう夜遅くなっていて、イザベラが住むサンタフェまでは4時間ほどかかるが、この際やむを得ない。


 真っ暗な高速道路を走っていると、急に寒気を感じた。まるで誰かが車の中を覗き込んでいるような感じがしたのだ。バックミラーと後部座席を一瞥すると、そこには誰もいなかった。バカバカしい、私はつぶやいた。だが私は家を出てこんな雨の中、暗い高速道路を走るという決断を後悔し始めていた。他の車はほとんど走っておらず、私はただサンタフェに早く着くことだけを心から望んでいた。

 市内に入ってすぐ高速道路を降り、イザベラの家へ続く脇道に入った。狭い十字路に差し掛かったとき、女性が一人私の車の前に飛び出してきた。私は悲鳴を上げながらブレーキを踏み、轢いてしまいませんようにと祈った。

 車は大きく振動して止まり、私は女性の姿を必死で探した。そして私は彼女が窓のすぐ横にいてこちらを見ていることに気づいた。真っ赤に燃えた赤い目、口元から除く牙、女の顔は人間ではなく、悪魔のものだった。そして女は車のフロント部分に飛び乗ると、窓ガラスをたたき割ろうとした。私は絶叫しながらアクセルを踏み、女を振り落とした。女はそのまま走ってついてきて、何度も窓ガラスを叩いた。バックミラーで見ると女の身体はどんどん大きくなっていき、ついには街路樹ほどの大きさになった。女の周囲には赤い光が渦巻き、目は私の方を向いていた。口も動いていたが、何を言っているかは聞き取れなかった。私は視線を無理矢理、進行方向に引き戻した。事故を引き起こすわけにはいかなかった。

 気がつくと女は消えていた。イザベラの家に着いた瞬間、私は車から飛び降りると半狂乱になってドアを叩いた。あの悪魔の顔をした女が追ってきているのではないかと思うと、気が気ではなかったのだ。イザベラはすぐに出てきて、入るように言った。

 「ドアを閉めて! 早く!」私は必死になって叫ぶと、呆然としている彼女を尻目に家の中に駆け込んだ。

 「何があったの?」、ドアを閉めながらイザベラは聞いた。それから彼女は私の手を握ってリビングに案内した。私はソファーに沈み込むと泣きながらさっきの出来事を話した。イザベラは絶句した後こう言った、「その女が十字路にいたというのは本当なの?」。

 私は彼女の問いに困惑しながらも、そうだと答えた。
 
 「それはLa malhora(訳注:フランス語風だが変形されていて詳細不明、フランス語として直訳すると「邪悪な時間割」)よ。」イザベラは手を意味も無く動かしながら言った。

 「悪い時間?」 私は聞き返した。

 「悪い、本当に悪いの」、イザベラは泣きながら言った。「La Malhoraは誰かが死のうとしているときだけ、十字路に現れるの」。

 普段ならそんな迷信はあざ笑っただろうが、あの悪魔に会ってしまった今ではとても笑う気にはなれなかった。イザベラは無言のままココアを持ってくると、私の荷物を車から降ろしてくれた。元々彼女の離婚のことで来たはずだったが、とてもそんな話をする雰囲気ではなかった。彼女は私に寝るように勧めた。

 翌朝になるとかなり気分は良くなっていたが、恐怖はまだ生々しく残っていた。私たちはあれきりLa Malhoraについては話さなかったが、もちろん忘れていたわけではない。午後になって私がとりあえず家に帰るというと、心配したイザベラは自分も付いていくと言って聞かなかったのだ。もう一度夜道を走ることは絶対に避けたかったので、出発は明日にすることにした。

 次の日、家に戻って20分ほど経ったとき、パトカーが家の前に止まった。どんなことを知らせに来たのかは、私にもイザベラにも分かっていた。

 降りてきた警官は非常に紳士的な話し方をしたが、それで話の衝撃が和らげられるというものでもなかった。私の夫が夕食後、ホテルに戻ろうとした帰り道で強盗に襲われたというのだ。夫の遺体は翌朝発見された。頭を撃たれて即死だったということだ。
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