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神の不在証明6 神の計画について

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神の不在証明6 神の計画について

原文:http://godisimaginary.com/i6.htm

 「神の計画」はキリスト教徒が、身体障害、癌、ハリケーン、交通事故などを説明する伝統的な方法だ。例えば、キリスト教徒が癌で苦しんだあげく悲劇的な死を迎えた場合、そのキリスト教徒が死んだのは神の計画の一部だったということにされる。その死には目的があり、神は何らかの理由でその人物を選んだのだ。もしキリスト教徒に悪いことが起きても、それは実際には神の計画の一部であり、良いことなのだというわけだ。

 「神の計画」がキリスト教徒の間でどれだけ一般的な概念かを見るには、キリスト教徒の文芸作品を読めば良い。例えばリック ワレンの「目的に動かされる人生」の2章には、このような驚くべき節がある。


 神はあなたを目的をもって造ったのだから、あなたがいつ生まれいつ死ぬかについても決めている。彼はあなたの人生の長さを前もって決めており、あなたの誕生と死の時間を正確に選んでいるのだ。聖書には「あなたの目は、まだできあがらない私の体を見られた。私のために造られた我が齢の日のまだ一日もなかったとき、その日はことごとくあなたの書に記された。」と書かれている。(旧約聖書 詩篇)

 ワレンはさらにこう書く

 あなたがどこで誰のもとに生まれたかに関係なく、神は計画をもってあなたを造った。

 この世界観によると、神は全てを計画する。

 リック ワレンの主張をちょっと検討してみよう。ワレンは「彼はあなたの人生の長さを前もって決めており、あなたの誕生と死の時間を正確に選んでいる」としている。この主張の単純な帰結を考えてみよう。それが意味するところは、神は地球上で行われる全ての中絶について、あらかじめ計画しているということだ。

 もし「神の計画」という概念が正しいなら、まず分かることとして、神は私たちに中絶を行わせたがっている。全ての中絶は神が計画したことであり、神は理由があってそうしているはずなのだ。そして中絶をもとめる女性とそれを引き受ける医者には全く罪がない。なぜなら神はその子供が中絶されることを計画しており(リック ワレンによれば神は死の正確な時期を決めている)、女性と医者は神の計画を実行するための人形に過ぎないからだ。すると中絶に反対しているキリスト教徒の立場はどうなるだろう。もし中絶が神の計画の一部なら、なぜ彼らは反対するのか。神は全能であり世界の支配者だ。そして彼の計画はアメリカで毎年100万人以上の子供が中絶されることなのだ。もし神の計画という概念が正しいなら、それらの中絶は全て神の細心な計画の一部ということになる。

 中絶が神の意志ではないとすれば、リック ワレンは神の計画について間違ったことを言っていることにならないだろうか。もし神が全てを計画しているのなら、神が全ての中絶の原因ではないのか?そう考えるだけで、彼の主張の問題点が見えてくる。

 アドルフ ヒトラーを考えてみよう。彼は邪悪さを具現化したような人物であり、その残虐行為でよく知られている。さてこの主張を検討してみよう「ヒトラーは神の計画だった」。何しろ
リック ワレンによると

 彼はあなたの人生の長さを前もって決めており、あなたの誕生と死の時間を正確に選んでいるのだ。聖書には「あなたの目は、まだできあがらない私の体を見られた。私のために造られた我が齢の日のまだ一日もなかったとき、その日はことごとくあなたの書に記された。」と書かれている。

 彼はまたこうも言っている。

 神は何であれ偶然行うということはなく、失敗することもない。彼が作ったもの全てには存在理由がある。全ての動物と全ての植物は神の計画によるものであり、全ての人は目的をもってデザインされた。

 もし神が私たちの一人一人について計画を持っているなら、ヒトラーについても計画があったはずである。そのことを深く考えようとした瞬間、矛盾に襲われることになる。

 神の計画によって動かされる世界での祈りについて考えてみよう。それに何か意味があるのだろうか。神には計画があり、その計画は線路を走る貨物列車のように進行している。神に計画があるとしたら、ホロコーストで死んだ人々は理由があって死んだことになる。彼らは死ななければならず、その死には意味があったのだ。だからホロコーストの犠牲者がいくら祈ろうが、彼らは死ぬ運命にあった。「計画」という考えは、「神が祈りに応える」という考えと矛盾しないだろうか。にもかかわらず、キリスト教徒はこの二つの考えの両方を信じているのだ。それが引き起こす解決不可能な問題を無視して。

 あなた個人にとって「神の計画」が何を意味するか考えてみよう。計画があなたが明日バスにはねられることだったり、テロリストが仕掛けた爆弾で吹き飛ばされることだったり、頭に四発の弾を撃ち込まれることだったりした場合、それが起こるのだ。病気についても同じことが言える。もしあなたが今日癌と診断されて三ヶ月後に死ぬ場合、それが神があなたに用意した計画なのだ。計画を変える方法はない。いくら祈っても無意味だ。なぜならあなたの死には意味があり、その死によって引き起こされることも、神の計画の一部だからだ。

 あなたは誰と結婚するだろうか。この問題についてあなたに選択権はない。神があなたの結婚の細部に至るまで決めているからだ。リック ワレンによれば「神はあなたの両親が『あなた』を作るためのまさにその遺伝子をもっていることを知っていた」のだ。つまりあなたの配偶者は神が計画した子供ができるよう、神によってあらかじめ決められているのだ。またあなたには何人子供を持つか選択することもできない。神が彼らの誕生についても、前もって計画しているのだ。

 また神の計画で動く世界では、ヒトラーに罪はない。ヒトラーは自分の自由意思で蛮行を行った訳ではなく、神の計画を演じさせられた役者の一人に過ぎなかったことになる。神はホロコーストで数百万人が死ぬことを計画していたのだ。リック ワレンの言葉を借りれば、神は彼らの死について詳細な計画を持っていたということだ。ヒトラーは神の計画を成し遂げるために、これらの人々を殺す必要があった。ヒトラーは数百万の死をスケジュール通りに引き起こすための、神の人形に過ぎなかったのである。

 同じように、全ての殺人者には罪がない。神は全ての死について細部にいたるまでの計画を持っているのだから、殺人者は神の計画に不可欠なのだ。それなのに、なぜ私たちは殺人者を罰するのだろう。私たちはむしろ、彼らが神によって課された計画を果たしたことを賞賛すべきではないだろうか。またあなたが明日レイプされて妊娠した場合、それは神がやったことだ。神はその子供の誕生と死の正確な時期を決めており、そのためにあなたがレイプされるという計画を立てたのだ。だからレイプ犯は神の人形に過ぎない。あなたはレイプ犯を憎むのではなく、神の計画を祝福すべきだ。

 あなたは殺人者やレイプ犯が賞賛されるべきだと思うだろうか? あなたはヒトラーは数百万人を殺すために、神に遣わされた存在だと思うだろうか? あなたは全ての中絶を引き起こしているのは、神だと思うだろうか。あなたは誰と結婚するかやどれだけ子供を持つかについて、自分には選択権がないと思うだろうか? たぶんそうではないと思う。だが、ヒトラー、癌、その他諸々を「神の計画」で説明するなら、そういうことになるのだ。

 あなたが知的な人間なら、「それは神の計画だ」という主張は、意味がない弁解に過ぎないと分かるはずだ。常識をもって考えれば、この主張には何の意味もない。全てを計画するような神など、空想に過ぎないのだ。
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