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無神論者はなぜ宗教について語るか?

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無神論者はなぜ宗教について語るか?

無神論とは要するに宗教的な信念を持たないことです。「では何故無神論者は宗教について語るか。主張するべき信念もないなら黙っておけばいいではないか」、という疑問にアメリカの無神論者が答えた文章です。

原文:http://www.patheos.com/blogs/godlessindixie/2015/02/18/my-response-to-the-question-why-dont-you-move-on/
 昨日読者とメールでやりとりする中で、無神論者なら何故宗教に関しての文章を書き続けるのか、という質問を頂いた。これはもっともな質問であり、聞かれることはよくある。この質問は詰問口調で発せられることもあり、そうするのは主に、私について私自身も知らない何かを自分が知っていると思い込んでいる人である。彼らはアブラハムの宗教(ユダヤ教、キリスト教、イスラム教)の外で思考できる人間は存在しないと確信しているため、私も本心では彼らと同じ事を信じており、ただ口で言っていることが違うだけだということを示すような証拠を探しているのだ。

 私に質問した読者はこのタイプの人ではないようなので、私が何故宗教について書くことに時間を費やすのかを説明した。ここからは読者からのメールと、私がどのように答えたかの概略を載せている。

読者からのメール1
あなたと同じく元キリスト教徒の友人から、あなたのブログを薦められました。宗教の話の中で、あなたのサイトに対しての言及があったのです。 
 何故あなたは無神論とキリスト教について、これほどたくさんの文章を書いていらっしゃるのでしょうか? あなたはあるグループを離れ、他のグループに移動されました。しかし、ブログに無神論とキリスト教についての文章を掲載することを、いつか終える予定はあるのでしょうか? 言い方を変えると、あなたはキリスト教を離れてからどれだけ経てば、宗教以外のことについて語ろうと思っているのでしょうか?  
 私は無神論者の家庭で育った人間であり、いかなる布教も受けておりません。これは非常に珍しいことであり、両親が宗教的でなかったことは幸運だったと思っています。 
 私が知りたいのは、あなたは宗教論争をずっと続けようと思っているのか、あるいは何かを得られればやめるつもりなのか、その場合あなたが得ようとしているものは何なのか、ということです。それが分かれば、あなたが文章を書く意図が私にとって明快になるのですが。(終わり)

 質問ありがとう。同じ疑問をもっているのは、たぶんこの読者だけでは無いと思う。私が今の世界観と以前の世界観の比較を続けているのは、いくつか理由がある。

1)私の転向はまだ完了していない。35年間も1つの世界観に浸かっていれば、それは単なる信念の域を超えたものになる。生まれたときから中年になるまで抱えていた荷物を、そう簡単に手放せるものではない。例えば私の行動原理には、良かれ悪しかれ福音派キリスト教の教義が影響を与えている。受けた教育の何がよく、何が悪かったかについての考えを整理することは、私にとっていまだに重大なことなのだ。

2)多くの人が私と同じプロセスを経ていて、彼らの多くは転向の過程で私のブログが助けになったとメールしてくれる。彼らは自分が何を思っているかは把握しているが、親しい人に自分の考えをどう伝えればいいかは分かっていない。私は懐疑主義を福音派の用語に翻訳できるので、彼らの役に立つことができる。

3)世俗主義者は圧倒的に少数派であり、冷遇されている。誰かが彼らのために主張しなくてはならない。そして私の文章は世俗主義者の考えを福音派に分かるよう説明することで、少しは壁を破ることに貢献しているのではないかと思っている。私は自分を南部に派遣された世俗主義者の大使、すなわち外国文化について彼らの国の中で説明する者だと思っている。私はミシシッピー州に住んでいるので、どこを歩いても周りは原理主義的キリスト教徒ばかりだ。私が宗教について書きすぎていると思っているなら、1つ強調しておきたいことがある。宗教は未だに私を取り囲んでおり、それについて書かないことは不可能なのだ。

4)私の周りの人もまたほとんどが福音派であり、なぜ私が現在のような考えに至ったのかを家族や友人に説明する必要がある。彼らが私の文章を読むことは少ないが、そういうこともないわけではない。そのとき私の考えを彼らに明確かつ詳細に説明する必要がある。彼らは未だに、彼らの人生を支配している信仰を私が捨てたことに、ショックを受けているようだから。

5)福音派の考えが頭に残っているうちに、それについて記録しておかなければならない。あと10年もすれば、あのような信仰の中にいる人間がどのような考えをするかは、私の頭から消え去ってしまうだろう。実はそうなることを待ち望んでもいる。私は未だに宗教的なシンボルや標語、光景を見ると福音派だったころを思い出す。いつかそんなことが起こらなくなれば良いと思う。だがとにかく現在はまだ忘れられないのだから、あの頃の体験を財産として自分の考えを記しておきたい。

 私のような経験を持たない人間にとっては、こんなのはどうでもいいことかもしれない。だから「もう十分だろう。他のことをしないか?」と言いたくなるのは分かる。私はまだその段階に達していないだけなのだ。私もずっとこうしていたいわけではない。だがまだ今は、私は宗教について語るのをやめることができない。私と同じ段階にいる人々は私の周りにたくさんいて、彼らの多くは私のような形で考えを表明すれば、全てを失う可能性があるからだ。彼らは地域で孤立しており、宗教について私のような観点から語る者がいるという事実は、彼らにとって大きな支えになっている。彼らが実際にそう伝えてくるのだ。だから私は書き続けている。

読者からのメール2  

お返事ありがとうございます。    
同じような経験をした人に多数会われたということですが、あなたのような体験は彼らの中で一般的なものですか?
 
福音派の文化に属していた者にとって、私のような体験は一般的だと思う。少なくともここ2年間で数百人の人から、同じような経験をしたという話を聞いている。福音派にとっては宗教が何よりの優先事項であり、信仰に不熱心な者、あるいは背を向ける者は、それが家族であっても許されざる敵とみなす。彼らはそのような者に対して、相反する2つの態度のどちらをとるかで悩むことになる。1つは信仰への敵とみなして完全に排斥するか、あるいはもう一つの選択肢として強制的に信仰に立ち返らせるかだ。後者が採用された場合、彼らが我々に投げかけるあらゆる言葉は、多かれ少なかれ改宗への誘いの含みをもつものになる。

 そこまでひどくない人もいるが、その多くはそもそも福音派の信仰に熱心でない家庭の出身者だ。

読者からのメール3
 
福音派の家庭で育てられたことは、あなたの人生にどれくらいの影響を与えましたか?自分はある原理主義を別の原理主義に置き換えただけでないかと、悩んだことはありますか? これは非難の意味は全くなく、ただ今の心境がどのようなものかを知りたくて質問しています。
 もっともな質問だ。Frans de waalの言葉にこんなのがある。
・「無神論はたいてい、改宗者がもともと属していた宗教の特徴を受け継ぐ」

 この言葉は正しいと思う。私の無神論への態度はある程度、私がすでに手放したはずの信仰の影響を受けている。将来も福音派の信条は私の一部であり続けるだろう。実際ミシシッピーに澄んでいる限り、私はそれから逃れられない。私の隣人のほとんど全員が敬虔な福音派だから、将来にわたって私は無神論と原理主義の仲立ちを続けることになるだろう。

読者からのメール4
 
大変参考になりました。なぜ友人が宗教のことで家族と断絶したのかまったく理解できなかったのですが、なんとなく分かるようになりました。
 あなたを脅威と見なしている人と良い関係を保つのは非常に難しい。彼らはあなたを力尽くで信仰にとどめようとすることもあり、関係はどうしても緊張する。そのような人のそばにいることは不断の不愉快な衝突を引き起こし、拷問のように感じられるときもある。だから私は家族と離れる人がいるのも理解できる。宗教の中にいる人間は、他人の内面まで侵入しろと教育されており、実際にそうするからだ。彼らと自分の間にスペースを設けることが、自らの尊厳を守るための唯一の方法であることがあるのだ。

 

 何故宗教について語るのかという質問を受けることはよくある。質問する人は、私たちが信仰の世界から、何故さっさと立ち去らないのかが分からないのだろう。簡単に言うと、生まれてからずっとその話を聞かされれば、それを忘れて新しいものの見方を覚えるには時間がかかるものなのだ。特に家族がまだそれを信じている場合は。何故私のような人間は、宗教について書くことに時間を費やすのかを、この文を読んで理解していただければ幸いだ。いつかは、かつての信仰の解体をやめる日が来ると思うが、私はまだその段階に至っていないのだ。
(終わり)

管理人
 なるほどね。ちなみに管理人が宗教について書いているのは、単なる興味からとしかいいようがありません。管理人は何かの宗教を熱心に信じたことはなく、知り合いが宗教にはまっているわけでもないので。ある意味管理人の方が謎ですね。
 
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