忍者ブログ

海外ゲテモノ情報

管理人が見つけたおもしろい海外サイトを翻訳するブログ。

都市伝説 顔

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

コメント

ただいまコメントを受けつけておりません。

都市伝説 顔

原文:http://americanfolklore.net/folklore/2013/09/the_face.html

 その医学生は転校生のシェイラを見るなり、恋に落ちた。彼女は豊かな黒い髪と長いまつげを持つ美しい女性だった。医学生は孤立しがちな人間だったが、それは彼の性格ではなく生まれのせいだった。彼の父親は発狂して精神病院に収容されていたのだ。そして彼女に恋している学生は他にもいた。そこで医学生は先手を取るべく、シェイラの家庭教師になろうと申し出た。その申し出が受け入れられた後は簡単だった。シェイラもまた、彼に恋するようになったのだった。彼らは授業だけでなく、どこに行くにも一緒に出歩くようになった。

 医学生はとても幸せだったが、それもシェイラが同じ寮にいるハンサムな学生と話しているのを見るまでだった。彼らは歴史の授業での教授の一言について、楽しそうに話していた。医学生は怒りで腹が煮えくり返った。他の男と笑いあうとはどういうことだ。彼はシェイラに裏切りだと言って詰め寄った。すると彼女は「あなた、おかしいわよ」と言い返した。父親のことを言われたと思った医学生が暴言を吐くと、彼女は怒って立ち去ってしまった。

 結局二人は夕食の時には仲直りし、しばらく平穏な日が続いたが、それも医学生がシェイラが図書館で、ブロンドの美青年にペンを借りているのを見るまでのことだった。彼はまた激怒した。医学生とシェイラは怒鳴りあいを始め、最後には図書館員にたたき出された。医学生は怒りが収まるまで寮のベッドでうずくまっていた。そのあと彼はシェイラに謝罪した。シェイラはそれを受け入れ、取りあえず破局は免れた。

 仲直りの印として、医学生は金曜日に地元で行われるダンスパーティーにシェイラを招待することにし、そのための服装を整えるために寮に戻った。荷物を詰めているとき、医学生は実習で使うメスが鞄からこぼれ落ちて、机の上に転がっていることに気づいた。彼はそれを注意深く鞄の中に入れた。そして彼はシェイラをエスコートすべく、パーティーに出かけた。

 2人はとても楽しい時間を過ごした。彼らは夜中に会場を出ると、寮で飲み直すことにした。寮に戻った直後、シェイラはまっすぐ部屋に向かわず、寮にいた赤毛の学生に明日提出予定の美術の課題について聞き始めた。医学生は瞬時に怒りの発作に襲われた。シェイラが戻ってくると彼は彼女を自分の部屋に押し込んで怒鳴った。「お前は誰とでもいちゃつくんだな。この売春婦!」。

 「頭おかしいんじゃないの!」シェイラは怒鳴り返した。「本当にキチガイじみてるわ」。

 医学生は顔を真っ赤にした。「キチガイと呼ぶな!」。そして彼の手は鞄の中にあるメスを握りしめていた。医学生が正気を取り戻したときには、シェイラは喉を切られて死んでいた。部屋中が赤く染まり、彼女の豊かな髪は血の海に浮いていた。

 医学生の頭は高速回転を始めた。死体を隠さなければならないし、血も何とかしなければならない。そしてアリバイも作らなければ。だが最初に… 彼は愛していた女性の姿をまじまじと見ると、死体の横に跪いて顔を切り取った。そしてそれをビニール袋で包むと、机の引き出しに入れた。それから彼は血を洗い流すと、死体を近くの廃坑に捨てた。

 次の朝彼はルームメイトに、パーティーでシェイラと喧嘩別れしてしまった。彼女はそのまま出て行ったので、今どこにいるか分からないと言った。図書館での騒ぎを聞いていたルームメイトは、特に疑問も持たずにその話を信じた。だから彼は、なぜ医学生が引き出しを凝視しているのかが分からなかった。

 医学生はずっと引き出しを見ていたが、11時から授業があったので名残惜しげに出て行った。戻ってきてみると、ルームメイトは気分が悪そうに窓に寄りかかっていた。「インフルエンザだと思う。取りあえず薬局に行って、何か買ってくる」とルームメイトは言った。

 「看病が必要かな?」、医学生はそう言いながら鞄を開けようとした。

 ルームメイトは蒼白になりながら、「いや、いい。気にしないでくれ」と言うと、ほとんど走るように部屋から出て行った。

 医学生は肩をすくめ、引き出しにあるシェイラの顔を眺めながら、来週提出予定のレポートを書き始めた。階下では、ルームメイトが警察に電話していた。

 医学生は警官が逮捕状を持って現れると、急に暴れ出した。警官たちは彼を椅子から引きはがすと、引き出しを開けた。中にあったものを見た警官は、絶叫しながら嘔吐しはじめた。

 医学生は父親がいるのと同じ病院に収容された。隣室の父親が病院の職員を殺そうとして暴れるたびに、彼は窓の外を眺めながら近くの木の枝が作る模様の中にシェイラの顔を探すのだった。狂った父親の拳が壁を叩くたびに、その顔は揺れ動くように見えた。

 そのころ寮では、血染めのドレスを来た女性が自分の顔を探しているという噂が流れていた。
 (終わり)

管理人
 病的な嫉妬のお話です。「いろんな男と話しているんなら安全なのでは? むしろ危険なのは1人の男と長時間話していることであって」と思うのですが、それが分からないから異常者なのでしょう。
 
 
PR

コメント

プロフィール

HN:
susc
性別:
非公開

P R