原文:http://www.darwinawards.com/darwin/darwin1994-15.html
(1985年 モンタナ州)
二人の地元民が、イエローストーン国立公園で違法に狩猟したヘラジカの角を売って、副収入を得ようとしていた。角は1ポンドあたり約7ドルで売れ、大型個体の角は30ポンドはあったので、彼らの密漁行為はもうかる事業になるはずだった。
金に目がくらんだ二人の男は、巨大な角を気づかれずに運び出すにはどうすればいいかで、悩んでいた。道路にはチェックポイントがあるので、車を使うのは危険すぎた。かといって、バックパックでは小さすぎて入らない。彼らはボートを使うことに決めた。ボートと言ってもゴムボートで川を下ろうというのである。
二人の起業家は発見される確率を最小にするため、イエローストーンを出てガーディナー市を通るガーディナー川を夜下ることにした。
ボートに積めるだけの角を積み込むと、男たちは旅程をスタートさせた。このとき季節は晩春であり、普段でも危険なこの川は水かさが二倍になっていた。ゴムボートが不安定な早瀬に突入して揺れ、揺れで跳ね上がったシカの角がボートに穴を開けるまでそれほどの時間はかからなかった。
輸送手段を失った男たちは、とりあえず自分の身を守らなければならなかった。密猟者の一人は岸に泳ぎ着き、ヒッチハイクで街に戻った。もう一人はそれほど幸運ではなかった。一週間後、彼の死体が地元民が日光浴に利用するビーチに浮かんでいるのが見つかった。