原文:
http://www.conservapedia.com/Counterexamples_to_an_Old_Earth
恐ろしいことに、キリスト教原理主義者は進化論だけでなく、地球が数十億年前に出来たということも否定しています。彼らにとって地球は、数千年前に神が創ったものなのです。ということで、conservapediaに挙げられている古い地球説への反証(と称するもの)を見ていきましょう。なおこのページで取り上げるのは、特に面白くてツッコミがいがあるものだけです。全部を訳しても、訳すほうも読むほうも退屈ですし。なお、太字=引用、細字=管理人のツッコミとなっています。
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生命が存在した直接の証拠、すなわち文字資料、衣服、都市の遺跡などはせいぜい4000年前からしか見つからない。地球誕生の大体の年代は、聖書を文字通り解釈すれば分かる。
生命が存在する証拠と文明が存在する証拠を混同してるよ… というか遺跡は直接の証拠と認めるのに、化石や石器や洞窟壁画は認めないって言うのはどういう根拠があるんだよ。
・人間の知性は急激に劣化している。SAT(訳注:日本のセンター試験みたいなもの)のスコア、音楽、やり取りされる手紙、政治的な議論やニュース記事の質を見ればわかる。人間が数万年前からいたなら、その数万年前の人間はとんでもなく知性に優れていたことになるが、そんな考えはばかげている。
知性が劣化しているように見える(そもそもこの主張自体が偏見に満ちていて、怪しげだが)ことについてはちゃんと説明がつけられる。20世紀後半から21世紀にかけての時期は、人類史上初めて一般人が大学を受験したり文化的・政治的な活動に参加できた時期だ。それまでは一部の上流階級しかこれらの活動に参加していなかったのだ。参加する人間の数が増えれば、平均的な質が落ちてしまうのはやむをえないことだ。
たぶん種としての人間を全体的に見たときの、知的な潜在能力は石器時代からたいして変わっていない。ただ今までは一部の上澄だけが、大学に行ったり政治談議をしたりしていたのに対し、最近はかなり底のほうにいる人間もこれらの活動に携わっているというだけの話だ。そしてそれは素晴らしいことだ。
・種の絶滅率や有害な遺伝的変異率の高さは、生命が比較的短い期間しか存在していないことを示している。
種の高い絶滅率が示すのは環境破壊であって、それ以外の何物でもない。つーか、神が生物を創造したなら、何でそんなに絶滅が起きるわけ? 全知全能の神なら、何があっても絶滅しないような完璧な生物を作れるんじゃないの?
・白髪や禿が始まる年齢は低下し続けている。多くの10代の若者が脱毛や白髪に悩んでいるのだ。多くのセレブ(アメリカンアイドルの優勝者であるテイラー・ヒックスは20代で白髪になった。)やアスリート(カル・リクペンは30代半ばで禿げた。)が、早すぎる白髪や脱毛を経験している。
統計的根拠があるのかも怪しい主張だが、あったとしても地球の年齢には何の関係もない。何で若白髪や若禿から、地球がいつ誕生したかを推測できるんだよ?
・鳥や魚の大量死はしばしば起こる現象だが、これが数百万年前から起こっていたとすれば、魚や鳥はもはや存在しないはずである。
大量死が数百万年前から起こっていたという根拠はどこにもない。たぶんこの現象は地球の年代からすればごく最近始まった環境汚染によるものだ。さらに言えば、鳥や魚のようなライフサイクルが短い生物種は、大量死に対してかなりの耐性を持っている。
・海水魚は淡水に棲むことはできず、淡水魚は海水に棲むことは出来ない。数百万年かけて進化が起こっているなら、彼らは自分が住んでいるのと違う環境に適応できてもいいはずである。
あの… 適応の結果、彼らは自分たちが今いる場所に棲むことができてるわけで。進化の結果淡水に適応した生物が、今度は海水に適応しようとすることに何のメリットが…
・大地震の頻度は大体40年ごとに倍増している。このことは地球の長期的安定を不可能にする。大地震は過去10年だけで20%以上増えている。研究者たちはオクラホマにおける地震の増加の理由について、頭を悩ませている。
地震の数が増えた程度では、地球はびくともしません。
・グレートソルトレイクのような標高の高い位置にある内陸の塩水湖の存在は、現世代に巨大な洪水があったことを示唆する。
塩水湖はただの出口がない湖であって、ノアの洪水の証拠でも何でもない。数千年前の洪水でできた水溜りが、蒸発せずに今も残っていると本気で考えてるの?
・水は水循環を経るごとに汚染されるはずである。地球及び生命が数十億年にわたって存在したなら、水はすでに生物が利用できないレベルまで汚染されているはずだ。
…汚染されていない水を「蒸留水」と呼ぶのはなぜか知ってる? そりゃ水循環が起きると水が汚れるという無茶な仮定からは、無茶な結論しか出ないわな。
・砂浜は古い地球説からすると早すぎる速度で侵食を受けている。アメリカの砂浜の80%から90%が、時には毎年50フィートの速度で侵食されているのだ。
えーと、砂浜が侵食されるのは川から供給される砂が、ダムによってせき止められるためでして。ダムができる以前はそんな急激な侵食はありませんでした。
(引用およびツッコミ終わり)
いかがだったでしょうか、まあ世の中にはいろんな人がいるということは、お分かりいただけたと思います。にしても書いてて自分の主張の馬鹿らしさに気づかないんでしょうかね。こういう人たちは。