忍者ブログ

海外ゲテモノ情報

管理人が見つけたおもしろい海外サイトを翻訳するブログ。

都市伝説 国立公園の悪魔

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

コメント

ただいまコメントを受けつけておりません。

都市伝説 国立公園の悪魔

原文:http://americanfolklore.net/folklore/2010/07/the_devil_on_washington_rock.html

 帰省の前日、彼女は夢を見た。その夢はとても鮮明だったので、彼女は最初それが夢だと気づかなかった。彼女はパーティーに出席していた。ゲストは魅力的で料理はおいしかった。やがてゲストみんなが噂話を始めた。悪魔がこのパーティーに来ているというのだ。

 彼女は最初、話を気にも留めなかった。だがいきなり全員が静まり返り、ドアのところを見た。そこには背が高くてハンサムなブロンドの男が立っていて、主催者と挨拶をしていた。彼女の周囲がかすかにざわめいた。この男が悪魔だ。悪魔はやってきたのだ。


 悪魔が部屋を一周するのを、彼女は視界の端で捕らえた。彼は全く普通そうに見え、悪魔とはとても思えなかった。そして悪魔は彼女のグループに加わった。その瞬間、彼女は噂が事実だということに気づいた。それはどう見ても、一緒に談笑できるような人物ではなかった。彼女はおびえ、テーブルにおいてあった聖書をつかんで投げつけた。悪魔は強烈な怒りと恐るべき悪意に満ちた目で彼女を見た。彼女は自分が死んだと感じた。

 そして彼女は目を覚ました。それから照明をつけて、朝までじっとベッドで震えていた。

 やがて朝が来て、両親と妹が彼女が生活している寮を訪れた。彼らは部屋の掃除と荷物の積み込みを手伝ってくれた。作業が済んで全員が車の座席に座るころには、もう辺りが暗くなり始めていた。

 数ヶ月ぶりの再会とあって話は盛り上がり、家に帰る前に国立公園に寄って夜景を見ようということになった。国立公園内の山道を上っていると、狭い道にも関わらず、バイクが騒音を立てながら彼らを追い抜こうとした。最後には坂はとても急になり、家族の車はバイクを引き離した。

 車はやがて山の頂上にたどり着いた。そこから見える国立公園はとても暗くて静かだった。右手にはニューヨーク市の美しい夜景が広がっていた。そして家族は道のすぐ横に、昼間公園を巡回している馬車が止まっていることに気づいた。馬車はそのあたりで唯一の街灯の真下にあったので、見逃しようがなかったのだ。そしてその中には…
 彼女は激しく震え始めた。馬車の中には背が高くてハンサムなブロンドの男がいて、強烈な怒りと恐るべき悪意に満ちた目で、彼女を見ていたのだ。それは夢に出てきた男、皆が悪魔だといっていた男だった。

 車内の緊張は一気に高まった。夢のことは話していなかったにも関わらず、両親と妹も馬車の中の人物からにじみ出る邪悪さに気づいたのだ。誰もが無言になり、車を発進させて男から離れようとした。
 
 突然、エンジンが息をつき始めた。父親は何とか車を動かそうとした。彼女は向こうにいる男を見つめながら、手を合わせて静かに祈っていた。エンジンは何とか復活し、父親はアクセルをいっぱいに踏んだ。それから彼らは山道を一目散に下っていった。

 彼女は震えが止まらず、おびただしい汗をかいていた。後ろを見ると、さっきのバイクも轟音を立てて坂道を下ろうとしていた。半分ほど下ったところで、男が乗った馬車がバイクに追いついた。バイクのエンジンが止まったのが聞こえた。

 やっと公園を出ると、彼らは無言で家に向かった。到着まで誰も一言もしゃべらなかった。

 彼女はバイクに乗っていた人はどうなったのだろうと思った。
(終わり)
PR

コメント

プロフィール

HN:
susc
性別:
非公開

P R