原文：http://godisimaginary.com/i37.htm

　多くの宗教信者が、DNAの存在を神の存在の証拠とみなしている。その論理は次のようなものだ。

　DNAは情報である。人間一人のDNAに含まれる情報はブリタニカ百科事典４００冊分に相当する。そしてその情報は人を作り出すための正確な青写真になっている。この情報がそれ自体を作り出したはずがない。情報の創造には知性が必要なはずだ。辞書を作るには著者、つまり創造者が必要だ。神こそがDNAの情報の創造者だ。

　しかし証明２５で見たように、DNAの「創造者」など存在しない。創造したのは進化なのだ。DNAのコードに知性は必要ない。DNAに含まれる情報は神のような「存在」が行動したためではなく、ランダムな変異と自然淘汰によって造られたものだ。

　世の数百万人の科学者がDNAに含まれる莫大な情報を収集している。そのことは実際には、地球上の全ての生物は進化によって誕生したことを示しているのだ。この科学的事実を認めるという宣言に署名した聖職者も数千人いる。

　このことは神が空想であることを証明するだろうか。答えは「否」だ。しかし多くの信者がDNAの存在を神の存在を示す「議論の余地がない」証拠とみなしている。DNAにコードされた情報が、神によってではなく自然に生み出されたものであることは、科学的に反駁の余地がない事実であるにも関わらずである。